【不動産会社向け】非居住者の不動産取得、2026年4月から居住用も外為法の報告対象に
海外在住の買主を扱う不動産会社が押さえておくべき、2026年4月施行の外為法改正のポイントと、社内で準備すべきことをまとめました。
要点
2026年4月1日から、非居住者が日本の不動産を取得した場合は、居住用であっても外為法に基づく事後報告が必要になりました。報告は取得から 20日以内に日本銀行を経由して財務大臣へ提出し、金額や面積に関係なく対象です。財務省のリーフレットでは、不動産仲介業者が代理人として作成・提出することも可能とされています。海外在住の買主を扱う不動産会社にとっては、契約時の説明事項と社内チェックリストに加えるべき変更です。
何が変わったのか
これまで外為法上の不動産取得の報告は、主に投資目的の取得が対象で、非居住者本人やその親族が居住する目的の取得などは対象外でした。財務省は2026年2月20日に関係省令を公布し、2026年4月1日から次の点を改めています。
- 居住用などの目的で非居住者が国内不動産を取得した場合も、事後報告の対象に加えた
- 他の非居住者から取得した場合も対象とした
- 取得金額や面積の大小にかかわらず報告が必要
背景には、重要土地周辺の取得や投機目的の取得の実態を把握したいという政府の方針があります。取得そのものを制限する制度ではありません。
誰が報告するのか
報告義務者
不動産を取得した非居住者本人。海外在住の日本人も、外為法上の非居住者であれば対象になります。
提出先
日本銀行(国際局)を経由して財務大臣へ提出します。
期限
取得日から20日以内。決済・引渡し日を基準に社内でリマインドを設定しておくと安全です。
代理提出
仲介業者や司法書士などが代理人として作成・提出することができます。
外為法上の「居住者・非居住者」は国籍ではなく住所や居所で判断します。外国籍でも日本に住所がある人は通常居住者、日本国籍でも海外に住んでいる人は非居住者にあたり得ます。判断に迷う場合は財務省の通達・Q&Aを確認してください。
不動産会社がやるべきこと
- 1
初回面談で居住状況を確認買主が日本に住所を持っているかを早い段階で確認し、非居住者であれば報告が必要になることを説明します。
- 2
重要事項説明とは別に案内報告は宅建業法上の重要事項ではありませんが、決済後の買主の義務として書面で案内しておくとトラブルを防げます。
- 3
代理提出の可否を決める自社で代理提出するのか、司法書士に依頼するのか、買主本人が行うのかを契約前に合意します。
- 4
決済日から20日をカウント引渡し後の手続きに組み込み、提出控えを買主に共有します。
代理提出をサービスとして提供すれば、海外の買主にとっては大きな安心材料になります。英語での説明資料を用意しておくと、問い合わせ対応の負担も減らせます。
国籍の登記申請情報(2026年10月5日施行)との違い
2026年10月5日からは、所有権移転登記などの申請情報に新たな所有者の国籍を記載する取扱いも始まりました。こちらは法務省の不動産登記規則の改正で、日本人を含むすべての新所有者が対象です。
| 項目 | 外為法の事後報告 | 登記申請の国籍記載 |
|---|---|---|
| 所管 | 財務省 | 法務省 |
| 対象 | 非居住者による取得 | すべての新所有者 |
| 開始 | 2026年4月1日 | 2026年10月5日 |
| 手続き | 日本銀行経由で報告(20日以内) | 登記申請情報に記載 |
| 主な担い手 | 買主本人・仲介業者・司法書士 | 司法書士 |
二つは別の制度なので、片方を済ませればもう片方が不要になるわけではありません。国籍記載の実務は登記申請の国籍記載の解説にまとめています。
海外の買主への説明のポイント
海外の買主は「外国人は日本で不動産を買えるのか」「何か許可が必要なのか」を気にしています。説明の際は次の点をはっきり伝えると信頼につながります。
- 国籍や在留資格に関係なく、所有権を取得できる
- 事前の許可ではなく、取得後の報告である
- 報告を怠ると外為法上の罰則の対象になり得るので、期限内の提出が大切
- 不動産の取得は在留資格(ビザ)とは関係がない
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Sources and review notes
本記事は2026年10月18日時点の公表資料に基づく一般的な情報です。個別の取引で居住者・非居住者の判断や報告書の記載に迷う場合は、財務省・日本銀行の窓口や専門家にご確認ください。
Editorial ownerEngawa Editorial Team
Method財務省の公表資料とリーフレットの確認
Checked on2026年10月18日
This article is general information, not personalized legal, tax, structural, financing, visa, or investment advice. Property and service availability can change.
Frequently asked questions
非居住者が居住用の不動産を取得した場合も外為法の報告は必要ですか?
必要です。財務省は2026年2月20日に省令を公布し、2026年4月1日から、非居住者が居住用などの目的で日本の不動産を取得した場合も事後報告の対象に加えました。他の非居住者から取得した場合も対象で、取得金額や面積の大小にかかわらず報告が求められます。
外為法の不動産取得報告の期限はいつまでですか?
取得から20日以内に、日本銀行を経由して財務大臣へ提出します。実務では決済・引渡しの日を起点に社内でリマインドを設定し、提出の控えを買主と共有しておくと、期限の徒過を防げます。報告を怠ると外為法上の罰則の対象になり得るため、提出の担当者を決めておくことが大切です。
不動産仲介業者が外為法の報告を代理で提出できますか?
できます。財務省のリーフレットでは、不動産仲介業者が代理人として報告書を作成・提出することも可能とされています。誰が提出するかは売買契約の前に買主と合意しておくと安心で、代理提出を海外の買主向けのサービスとして案内する不動産会社もあります。
海外に住んでいる日本人も外為法の非居住者にあたりますか?
あたり得ます。外為法上の居住者・非居住者は国籍ではなく住所や居所で判断されるため、日本国籍でも海外に住所がある人は非居住者として扱われる場合があります。逆に、外国籍でも日本に住所がある人は通常居住者です。判断に迷う場合は財務省の通達やQ&Aを確認してください。
外為法の報告と登記申請の国籍記載は同じ手続きですか?
別の手続きです。外為法の事後報告は財務省所管で、非居住者による取得が対象、2026年4月1日に始まりました。登記申請の国籍記載は法務省の不動産登記規則の改正によるもので、日本人を含むすべての新所有者が対象となり、2026年10月5日から始まっています。
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