【不動産会社向け】2026年10月5日から登記申請に国籍の記載、買主への案内と実務の要点
国籍記載の開始で、買主への事前案内と書類準備が少し変わりました。海外在住の買主を扱う場合のチェックリストと、説明のポイントをまとめます。
要点
2026年10月5日から、所有権移転登記などの申請情報に新たな所有者の国籍を記載する取扱いが始まりました。日本人の買主も含め、すべての新所有者が対象です。法務省によれば、国籍は登記に関する内部情報として保有され、誰でも取得できる登記事項証明書には記載されません。外国人の不動産取得を制限する制度ではないため、取引の可否は変わりません。ただし、決済当日に書類がそろわないことのないよう、仲介の段階で買主に案内しておく必要があります。
改正の概要
法務省は不動産登記規則を改正し、所有権の移転の登記など新たに所有者となる者がいる登記の申請情報に、その者の国籍を加えました。
- 方針の公表: 2025年12月16日の法務大臣会見で、外国人による不動産所有の実態を把握するため、移転登記の際に国籍を把握する仕組みを導入すると説明
- 施行日: 民事局の通達で、改正後の不動産登記規則の取扱いは2026年10月5日施行とされている
- 情報の扱い: 提供された国籍は登記に関する内部情報として保有
- もう一つの目的: 将来の相続登記を適正に進めるうえでも意義があると説明されている
実務で変わること
買主への案内
売買契約の段階で、登記申請に国籍の記載が必要になることを伝えておきます。
本人確認書類
国籍の確認資料として、パスポートや在留カードなどの提示を司法書士から求められることが想定されます。
日本人の買主も対象
外国人だけの手続きではありません。すべての新所有者について記載が必要です。
相続・贈与も含む
売買に限らず、新たな所有者が生じる移転登記が対象になります。
確認資料の具体的な扱いは登記所や事案によって異なる可能性があります。司法書士と事前にすり合わせ、決済前に必要書類のリストを買主へ渡しておくと安心です。
海外在住の買主の場合のチェックリスト
- 1
国籍と居住地を最初に確認国籍は登記申請情報に、居住地は外為法の報告要否と住所証明の方法に関わります。
- 2
住所証明の方法を決める海外在住者は住民票がないため、在外公館の在留証明や宣誓供述書などで対応するのが一般的です。
- 3
署名証明の準備実印・印鑑証明の代わりに署名証明(サイン証明)を用いる場面があります。取得に時間がかかるので早めに案内します。
- 4
国内連絡先の登記海外に住所がある所有者は、国内連絡先の登記が必要です。引き受ける司法書士や会社を決めておきます。
- 5
外為法の事後報告非居住者の取得は、居住用でも20日以内の報告が必要です。
買主にどう説明するか
海外の買主の中には、国籍の記載と聞いて「外国人の購入が制限されるのでは」と心配する人もいます。次のように説明すると誤解を防げます。
- 日本人を含むすべての新所有者に共通の手続きである
- 国籍は公開される登記事項証明書には載らないと法務省が説明している
- 事前の許可や審査ではなく、取引の可否は変わらない
- 外為法の事後報告とは別の制度である(詳しくは外為法の事後報告の解説)
英語での説明が必要な場合は、Engawaが公開している英語版の解説記事を買主に案内することもできます。
二重国籍や法人の場合
二重国籍者や外国法人、信託、国籍の異なる共有者による取得などについては、通達で個別の取扱いが定められている可能性があります。本記事では個人の買主の基本的な取扱いのみを扱っています。該当する取引では、担当の司法書士や管轄の法務局に確認してください。
海外の買主を紹介してほしい不動産会社の方へ
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Sources and review notes
施行日は民事局の通達(2026年9月4日付)の記載に基づきます。通達本文の細目は確認しきれていないため、特殊な事案は専門家にご確認ください。本記事は一般的な情報であり、個別の登記手続きに関する助言ではありません。
Editorial ownerEngawa Editorial Team
Method法務省の会見記録と公表資料の確認
Checked on2026年10月18日
This article is general information, not personalized legal, tax, structural, financing, visa, or investment advice. Property and service availability can change.
Frequently asked questions
登記申請の国籍記載はいつから始まりましたか?
2026年10月5日からです。法務省は不動産登記規則を改正し、所有権の移転の登記など新たに所有者となる者がいる登記の申請情報に、その者の国籍を加えました。施行日は民事局の通達に記載されており、それ以前に申請された登記がさかのぼって対象になることはありません。
日本人の買主も登記申請に国籍を記載する必要がありますか?
必要です。国籍の記載は外国人だけを対象とした手続きではなく、日本人を含むすべての新たな所有者が対象です。日本人の買主であれば日本と記載することになります。買主への案内では、全員に共通の手続きであることを伝えると、海外の買主の不安も和らぎます。
登記された国籍は登記事項証明書に記載されますか?
法務省の説明によれば、提供された国籍は登記に関する内部情報として法務局が保有し、誰でも取得できる登記事項証明書には記載されません。登記事項証明書に記載される所有者の氏名や住所などの事項はこれまでと変わらないため、公開される情報が増えるわけではありません。
国籍記載の開始で外国人は日本の不動産を買いにくくなりますか?
取得そのものが制限されるわけではありません。国籍の記載は申請情報の項目が増えるだけで、事前の許可や審査ではないため、外国人が国籍や在留資格に関係なく所有権を取得できる点は変わりません。ただし非居住者には別途、外為法に基づく20日以内の事後報告が必要です。
海外在住の買主の登記ではどんな書類を準備すればよいですか?
国籍を確認する資料としてパスポートなど、住民票の代わりの住所証明として在留証明や宣誓供述書、印鑑証明の代わりの署名証明が一般的に必要になります。あわせて国内連絡先の登記も必要です。具体的な書類は事案や登記所で異なるため、担当の司法書士と事前に確認してください。
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